第36次報告

大きな感情が好きです、色々な感想。

1週間で「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を全話見て劇場版に突撃したオタクの初見感想:後編

後編

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というわけで、映画「劇場版 舞台☆少女 レヴュースタァライト」を見てきました。

自分はロロロを通過せず、アニメ版全部見てそのまま劇場に突入した感じです。今思えば、もっと色々通過してからでも良かったかも。でもまぁ私の人生は衝動でいいです。前評判で聞いていた通り、すごい映画でした。こんな薄っぺらい言葉では伝わらないかもしれませんが、すごい視聴体験でした。映画館で見ることに意義のあるタイプ。

書きたいことをバーっと書きます。ネタバレ全開です。乱文乱筆失礼します。自己解釈むちゃくちゃあります。全くまとまってないし、何度も同じ話を繰り返しています。

はじめに

まず、かれんの内面をフィーチャーしてくれて本当によかった。正直なところ、アニメ版を見ていてものすごくモヤモヤしていた所のひとつにかれんが何のために舞台やってるのかあんましわかんないってのがあって。いや、そりゃ星翔入ってんやからすげぇ経歴なんやろとは思ってたけど、1話時点でふにゃふにゃやし。ひかりちゃんひかりちゃん一辺倒のくせになんか勝ち重ねてるし。主人公ってまぁこういう感じやんね〜、って思っちゃってた。でも本当は全然違う(違うわけでは無い。これは私の認識が見当違いだったということ)くって、実は引っ込み思案やったり、ものすごい努力してたり、普通に不安でいっぱいの毎日を過ごしてるんやってことがわかって泣きそうやった。劇場版見たら、アタシ再生産の時の燃料が髪飾り(=約束の象徴?)なこととか、ふにゃふにゃやったけどひかりが来てからシャンとする振る舞いとか、全部わかった気になれた。

「見ない、聞かない、調べない」で、何も見ずただ進んできたかれん(約束をしたという事実だけが大切で、今はどうなっているかという現実に直面することができない?)がスマホによってひかりが約束を覚えててくれたって知って、ちょっと安心したんかな。それで、目標やった星翔にも入ったし、腑抜けてしまうのもわからなくない(約束を覚えてくれていた事がわかって安心して、現実=舞台以外と向き合い始めている?)。でも、それは地下オーディションでひかりを見た時に何か自分の中のスイッチが入って、それの結果がアタシ再生産なのかな〜と思った。 アタシ再生産って変身バンク、最初はかれんの象徴(髪飾り)を燃やして打ち直して、文字通り新しい自分を鋳造する、という事だと思ってました。でも、劇場版を見た後は、かれんの燃料はひかりとの約束の盲信でしかないやん!って思い直しました。再鋳造というよりは、炉に火をくべるような行為なのかなと。

手段が目的化してる人ってよく居るんですけど、かれんは全くそれやなぁと。そういう人ってほんとに次の事にあんまし興味ないというか。やからかれんの進路希望は白紙なのかな〜って。 もう色々ありすぎて...、王立の事知ってるのに知らないって言ったり....、劇場版ではアニメ版である種「存在感」の薄かったかれんの内面をたくさん知ることが出来た事によって、とても質感を持ったキャラクターに感じられるようになりました。

ある意味ではかれんはものすごい狂人で、もしかしたら真矢よりも舞台人なんかもしらん。ひかりちゃんが怖いって言った意味もわかる気がする。劇場版でキャラクターへの解像度が上がって、何か自分だけの真実を掴んだ。


劇中、「蹴りをつける」「電車は必ず次の駅へ」などの繰り返されるワードから、99組のみんなが何かと決別したり、成長して次へと進んで行く事が示されます。アニメ版では正直モヤモヤしていた所もあったので、蹴りをつけてくれるのは嬉しいなと。

劇場版では時系列や場面がバラバラ?になっているため、大筋はありますがそれよりも各々のシーンが重要な意味を持ってくるのかなと思います。

wi(l)d-screen baroque 開幕

序盤、皆が新国立へと向かう電車の中で起こる現象〜皆殺しのレヴューまでは「輪るピングドラム」「モノノ怪」「魔法少女まどか☆マギカ」がパッと想起されました。カタカタと音を立てる吊り革や急に現れる上掛け、じっとりとした不穏。ここまでの話はお膳立てで、こっから話が動くで〜って感じのデケェ音、大場なな。

まどまぎの戦闘シーンってこんな音楽流れてなかったっけ?magiaが耳に残りすぎてるかもしらん。しっかし、大場ななが一言喋るだけで不穏ですね...。不穏というか、ななは自分の嫌なことは嫌って声出して言えるタイプの人間って感じがする(香子もそうなんやけど、ななよりは自分の事を信じきれてないかな)。

みんなの庇護者っていう立ち位置で永く過ごしていたから、ループを抜けでて次に進んでいくっていう時に、みんなが自分の中での水準に達して無い事が嫌やったのかも。皆殺しのレヴューの二次創作イラストをチラッとTwitterで見かけたことがレヴュースタァライト視聴の後押しになっていた所もあったので、見てて本当にウキウキしていた。

皆殺しのレヴュー

カッコいいよ大場なな...。それまでの平和な、悪くいえば弛緩したような空気から一変、あれよあれよといううちに皆殺しのレヴュー開幕です。いや〜、上にも書いたけど突如現れる上掛けとか電車変形とか、こんなんアガらずにおれますかって!

大場ななというキャラクターに狂ってしまった人をよくインターネットでお見かけしますが、普段の優しいお姉ちゃんキャラから一転、スーパーオラつき女になられたら...もうねぇ....。やっぱ激情を秘めたキャラっていいですよね。それでいて真矢やクロを退けるほどの実力者やし。 では舞台は?あなた達は?この答えをななは持っていたのかいなかったのか気になるところ。でも、真実じゃなくても信じたものが自分なりの真実やから、そういう意味ではななは真実以外持っていなかったのかも。狩りのレヴューでその一端に触れられるかも。

強いお酒を飲んだみたい...って何!?未成年でしょ、っていう純那のツッコミにツッコミたくなってしまう。ループを経ていたって、ななの精神年齢はそんなに成長してないと思う。あんな実力でねじ伏せてくるような人間を野放しにしてたら今後も狂わされる人いっぱい出てきそう...。 アニメ版ではなかった血が出るレヴューの演出とか、死んでしまった舞台少女たち、劇物とかなんとか言われてる意味がわかるな〜って思ったね。ピンドラを見ていたので即死を免れた...、こともない。牧歌的な雰囲気を消しとばしてあまりある熱量。このレヴューを機に、みんな何かにケリをつけていきます。

ほんとに嬉しい映像やなと思った。

怨みのレヴュー

双葉と香子は、一応アニメ本編でもある程度の決着が付いていたよね。香子の性格からしたらなんかあーゆーフラストレーションをよく振りまいてそうやけど、今回はなんかちょっと違うんかな。香子はまたあのオーディションが開催されることを切望していたんやけど、それは吐け口として?それともオーディションで何者かになれるって本当に思っていたんか。彼女が言ってることがなんだかおかしいのは自分が一番わかってると思いますね...。「しょうもな」っとか、あーいう強い言葉を言って周りに不穏な空気を作るのはななとも似てるね、ななは行動で示すタイプやけど。

双葉も双葉でこう、クロとかに出会って、昔と同じように双葉に接さなくなったんかな〜、結局こういうのってちょっとした変化でもとうじしゃからしたら大きな変化に感じてしまうもんかもしれんね。双葉やって星翔に来た時は香子にくっついてきただけやったかもしらんけど、殺陣の能力とかは目を見張るものがある。オーディションとかクロと一緒に切磋琢磨することで新国立狙おうかな、って自分でも思うぐらいになれたっていうのはすごいことやと思いますね。

この二人の関係と昭和の映画の雰囲気って本当に合うなぁと思った。あと、京都の人に「うっと」って言わせるの反則です!これだけでコロっと落ちてしまう人やっていますよ!!ほんまに香子は移り気な女というか、扱いが難しい女やね、そりゃ双葉も苦労するわぁなぁ〜っちゅう。これから香子のそばを離れることに双葉も何も思ってないってことはないやろうし、腹を割って話そう的なこの感じは二人がケリをつけるためには必要やったんかもしれませんね。

クロはいっつも香子と双葉の痴話喧嘩に巻き込まれるなぁ。衣装がコロコロ変わって嬉しいなぁ。名乗りめちゃくちゃかっこいいし、鉄火場の外でフッ...てなってるクロもいいね。いや、名乗りカッコいいな....こういうの似合う二人やな...。

落ちていくシーン。落ちるといえばかれんのイメージやったけど、そういや劇場版ではみ〜んな漏れなく落ちてるね。いや、ななと純那は落ちてなかったっけ?美しい決別。

競演のレヴュー

アニメ版を見た時からず〜っと思ってた。まひるはキレていい。あんなに尽くしてたのにポイされるなんて...無償の愛とはいえどさァ...と。そこで始まった競演のレヴュー、本当に嬉しい。まぁでもまひるちゃんって泰然としてるとこあるし、優しい感じなのかねぇって思ってたら大っ嫌いよ。いや〜....!。音響も相まってむちゃんこ良かった。劇場で見てて一番立体音響やな〜って思ったのはこのレヴューの後半かもね。

ものすごく広い舞台、ひかりにとってはアウェーな観客。なんか領域展開みたいねぇと思っちゃった。ひかりはかれんのことに夢中になりすぎて全然演技してくれんし...。まひるって、もしかしたらひかりの中では木端みたいな扱いやったんかもなぁ。それでなくてもまひるみたいなキャラってあんまり表立って対立関係になるようなキャラでは無いしな...。って思ってたけど自分に相対して演技してくれんのって可哀想、熱量が違いすぎる関係ってサムいし。このへんは「私のセリフを無視するな!」に通じるところがあるかも。レヴューが終わっても執拗にひかりを追いかけ回すまひる、普段とは全く(?)違う顔が見れて良かった。そういやランドリーでのまひるとクロのシーンも良かったね。あーいうところを見せてくれると色々想像できて嬉しい。まひるって、99組の9人の中やったら一般人的な感覚を持っている=感情移入し易いキャラクター(純那も?)やと思うから、最後の名乗りで泣いちゃった人多そう...(そういや特別映像で声優さんが泣いたって言ってましたね!)。

ひかりも実はかれんと向き合うのが怖かったんやなぁっていうのがわかるレヴューでした。かれんもすっごい不安やったやろうし、ひかりが不安を持ってても全くおかしく無い、かも。かれんで繋がるこの二人は、今後どんどんどん仲良くなってくれると嬉しいな〜。

個人的になんだか最後、まひるが自分の頭を撃ち抜くんじゃ無いかとちょっとドキドキしながら顛末を眺めてました。

狩りのレヴュー

はい、大場なな。スタァライトについて喋る時に、大場ななについて紙幅の多くを費やしてしまうことは仕方ないかもしれんけど、純那なってもっと大きく語られていいキャラクターであると個人的に思います。てか、大きく語れ、君が。

さて。軍服かっこい〜〜ッ!こんなん見た中学生諸君なんかほんまに性癖ねじくれて頭おかしなってまうで。ななは自分が手塩にかけて育てた純那が舞台から降りるのを許せんくって、ケジメつけろやって感じでキレてたんかしら。「がぅ」、すっごい良かったですね。

このレヴューはほんとに純那とななが大喧嘩してるのを見物してるみたいな気持ちで見てました。ななは純那に対して色んな感情があって、他人の言葉で喋んなやとか、辞めんねやったら死ねやとか、いつまでも純那のことを少し見下してるフシはありましたね。可愛い可愛い純那ちゃん、的な、「あーあ、泣いちゃった」とかね。これも固執なんかな。純那は純那で、毎日すごい必死で、舞台をやってる。そのためには他人の言葉に頼る時もあるけど(いや、頼りすぎ感ちょっとあるけど!)、その努力は一番なながわかってることやと思います。それがわかってるからこそ、あんなに怒ってたんかな〜。靴で自分の刀をガーって純那に向けて自決強要するシーン、すごい良かったね。

対して純那の気持ちはちょっと見えてこーへんところもあったけど、コテンパンにやられても純那は純那で、めげることなく再起して...っていうね。メガネの優等生キャラが覚醒して〜みたいな文脈では語れない、そんなところがありました。自分の言葉で戦うところは本当に胸が熱くなりました。今年見た映像作品の中で「殺して見せろよ、大場なな!」が現在TOPですね...、何度も思い返しては泣きそうになる、本当に好きなシーンになりました。レヴュースタァライトのキャラクターは、みんなしっかり自己があるというか、そりゃあ舞台なんかやる人間オラオラオラ!って感じなんかもしれんけど、こういう我と我のぶつかり合いを見せてくれると本当に嬉しい気持ちになってしまいますね...。さっき競演のレヴューの時にも行ったんですけど、純那みたいなキャラもわりと感情移入しやすそうな造形ではありますが、彼女は自分の矜持をしっかりと持っていて、「気高い」女ですね。私は気高い女が大好きなんだ...。

ななの長い99回星翔祭生活の中でも、あそこまで喰らい付いてきたスタァはもしかしたらいなかったんじゃないかな。それでちょっと面食らっちゃったというか、飼い犬に手を噛まれるって感じ。純那のきらめきは本当に眩しい。眩しいよ...。

彼女達は一緒に落ちることではなくて別の方向へ歩き出すことを選択したのかな。この二人もしっかりケジメが着いた...のか?「あーあ、泣いちゃった」...泣いちゃった...。純那は本当に向上心って感じのキャラクターやね、と思う。少し堅物かもしれんけど、へこたれることがあっても目標にまっすぐ進んでいける、そんな強い芯を持っている。

なな、どうも道明寺司がちらつく時ありません?お前の解像度が低いだけ?そうですか...。あと、関係ないかもですけどバナナ型神話ってありますよね。いっぱい食べてくれたなぁ...、とか。

魂のレヴュー

魂のレヴューの前に、真矢とクロが二人で将棋のパチモンみたいなゲームするシーン、ほんとに良くない???二人が互いに認め合ってたり、相似であることを誇りに思っているような、そんな雰囲気がとっても素敵で、とびっきり愛おしい。

この二人の本編でのレヴューは真矢クロvsかれひか、というマッチアップだったので、ベクトルが外側を向いていましたね。あのレヴューではクロが真矢の事をどのように思っているかわかるレヴューでした。魂のレヴューでは、ベクトルが内向きになっていてそれぞれの我をぶつけあう。他の3編のレヴューと違って、もっと舞台よりの舞台という感じですね。幕構成など。やっぱり劇場版はいっぱい衣装があって見てて嬉しいなぁ!

本編ではかれんvs真矢のレヴューがあって、その時は真矢は圧倒的な強者・実力者という描かれ方をしていました。高潔・完璧な人みたいな印象を受けていましたが、でも誰よりも本当は強欲で我が我が...って感じの人間ですよね。電車のシーンでは、自分の話を聞かずにエルドラドの話をする双葉とまひるにちょっと嫌そうな顔をしてましたし。twitterの4コマ漫画では、クロより先におみ足を高く掲げているシーンもありましたね。小物、と言うほどでは無いけど、人間臭いところは真矢のいいところですね。真矢とかれんは少し似ていると思います。その原動力が欲望なのか呪いなのか、それはとても大きな違いだと思います。

そんな真矢を一番近くで見てきたクロだからわかる何かもあるんでしょうね...。何度も何度も言うてますけどほんまにこのクロって女は強火ですよ、燃える火。この世で一番が自分じゃ無いのは認められない、でもそんな女が鏡だと、そう認めた女が真矢なんですよね...。電車のシーンでは向かい合わせの席に座っておんなじようなポーズもしてましたし。クロのキャラクター造形の中で、天才子役ってどのぐらいの大きさを占めてるんやろ。どっちかってと、真矢というライバルを手に入れて、追い縋る事を初めてからの方が人格形成に大きな影響を与えてそうですね。

そんな二人は何にケリをつけるんかな。この二人はもうどっちが上でどっちが下とかあんまり考えてなさそうですしね。何かを伝えたいというよりは強者同士の手合わせといったところでしょうか。もしくは自分の価値を真矢に認めさせたい?認められたいわけではなくて、認めさせたい。ななは、みんなを成長させるのは私だと思っていたでしょうが、クロは真矢を成長させるのは自分しかいないと思ってそう。クロにとって真矢が成長するのは自分が成長することと同義だし。

レヴューは悪魔vs舞台人って内容です。悪魔は古来より人を誑かすものなので、クロが伝えたいのは聖女ぶってないで自分と同じ人間やってことを認めろ!って感じですかね。真矢のポジションゼロが弾かれてからの怒涛の展開本当にいいですね...。舞台の星が穴に落ちたり、各人の立ち位置が次々入れ替わったり、見ていて本当に嬉しかったです。

このレヴューはね...正直大泣きしてしまった。美しすぎる、カメラワーク綺麗すぎる、動きも大きくて、ほんとに燃えながら火花を撒き散らしながら、ぐるぐると落ちていく炎を見ているようでした。そうなんですよ...真矢は自分の事を清く正しい舞台人だと思ってるし、そうでありたい、そう振る舞っています。これは自分に対する妄信のようなものですね。でも、ほんとは人間臭い、嫉妬もするし自分が輪の中心じゃないと不快になるような、そんな欲の皮の突っ張った人間なんですよね...。本当に可愛いね...。互いに互いでなければここまで到達できなかったと、そんな事を伝え合うような、素晴らしいレヴューでした。彼女達のたどり着いたポジションゼロは、もう約束というより呪いですね...。でも、今後も彼女達は燃えながら廻っていくのでしょう。

スーパースタァスペクタクル

さて、この映画、あるいはレヴュースタァライトの最終幕とも言えるかれんとひかりの運命の舞台。劇場版はこのためにあったと言っても過言では無いはずです。この二人が何にケリつけるんやろ〜って思いながら見てたんですけど、そりゃあの約束以外に無いわなぁ。もう全然意味わからずに口あんぐり開けながら劇場版見てたんすけど、この思考が頭ん中走った瞬間ピンポンのペコみたいなりましたね(インパルス走るっ!!)。

5才の時に自分たちの運命を定めてしまった二人の人生に、ケリをつけるとしたらここしかない。それはものすごく怖い事だと思います。実際、かれんは自分の人生の軸だったことが急にポッカリ抜け落ちてしまって、どうしたらいいかわからなくなってしまっています。今までの人生で、「見ない、聞かない、調べない」という、ある種盲目な付き合い方をしてきた、現実の世界とかれんは今向き合うタイミングだし、ひかりも、約束や運命といったフィルターを通さずに、かれんと直で向き合うことの怖さに向き合う時がきています。ひかりは、まひるとの競演のレヴューでそれをまひるに教えてもらったし、仲間がいる事を知り、大きく背中を押してもらいました。ではかれんは?ななからヒントをもらっているとは思いますが、あくまでヒントであり、背中を強く押してもらったわけではありません。あるいは、もうとっくの昔から気づいていたのかも...。わからない、わからないというかれんの口癖も、そう考えると現実逃避のための手段やったんかもしれませんね...。アニメ本編みてた時は全然かれんのパーソナリティがわからんかったんでここまで思考が及ばんかったんですけど、いや、私の解像度が低かったせいというべきか?

ひかりとやっと会えたかれんですが、自分にはもう何も無いことや、もうひかりは何かを手に入れた事を理解して、死にます。舞台少女にとっての「死ぬ」ということには、燃料が無くなるってことなのかな。かれんがそうであっただけで、死の形も人それぞれやんやと思うけど。本当良く落ちるなぁ〜、一個のテーマなんかしら。ポジションゼロかれんが乗った列車が砂嵐に突っ込んでいくシーン。マッドマックス?

そしてアタシ再生産バンク。こっっからの名乗り、二人とも良くて、いや本当に良くて、スーパー最高でした...。むちゃくちゃカッコよくて...本当に嬉しかった...。ライティングもすごくて、物語のクライマックスを象徴するような、そんなシーンでした。かれんは実はひかりのファン一号やったんかもしれんね。今までは羨望の存在やったけど、最後の言葉を言わなくちゃ...。

ひかりに見惚れて、いや、今までの人生でひかりに見惚れ続けてきたかれんの「最後の言葉」、きらめきが溢れて...ポジションゼロになって...髪飾りが外れて...運命から解き放たれた舞台少女達は次の舞台へ...。上掛けを自ら外して...みんなも自分の上掛けを投げ捨てて...、こういうところは卒業っていう事を強く感じますね...。

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト

色々書いたんですけど、レヴュー以外のシーンでも、セリフが示唆に富んでいて、無限に叙述トリックをくらい続けているような快感があって....(香子「いつまでダラダラ走ってんねん」, モブ「運命の舞台へ」, etc...)。また、アニメ本編を見返したい!と言う気持ちになりました。というか見直しました。みんな怖いことや不安なことがあって、それにずっと蓋をして、見ないようにして先に進もうとしてたけど、それに向き合って自分たちなりに決着をつけて、先に進んでいく...。いつまでも夢見る少女じゃいられないとは言いますが、こんな熱量でぶつけられて、本当に嬉しいです。

音響が良くて、劇場で見て良かった〜!早く曲が聴きたいです。なんだかんだ言って一番好きな曲はわがままハイウェイかも。wi(l)d-screen baroqueもむっちゃ好きです!見て良かった、このコンテンツに出会えて良かった。星の巡り合わせに感謝しています。あと、インターネットの人たち。

実際こんなにかれんの事を好きになると思わんかった。この感想の冒頭でもすんげー紙幅を費やさしてもらったんですけど、かれんの人格が宿ったような、画竜点睛という言葉がふさわしい劇場版でした。

まだロロロ、舞台、漫画版など、掘れる空間が多いコンテンツなので嬉しいです。#3は延期になってしまったようだけれど、でも「今は!」ですよね!